俺のSPはくの一女子高校生

裏社会に関わっている俺がいうのもなんだけど。

暴走族のどこがいいんだろう。

俺にはよくわからん。


「楓も暴走族のどこがいいかわからねえよな?」

「そうだね。……それよりも、女子の甲高い声が耳に響く」


楓は可愛い顔を顰めて、両手で耳を塞いでいる。

楓は鼻だけじゃなく、耳までもいいからな。


「教室入るか」

「うん」


校舎に入り、『2-A』と書かれたプレートがある教室に入る。俺は廊下側の前から3番目の席、楓は一番後ろの左側にひとつ空席がある窓際の席だ。

俺が席に座ると、すぐに同じクラスの友達が話し掛けてくる。

けど、楓は鞄から本を取り出し、すぐに空気に溶け込むように気配を潜めてしまう。
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