俺のSPはくの一女子高校生

昼飯は食堂の隅にある4人掛けの席で楓と2人で食べるのが日課だ。

最初は友達に冷やかされたりもしたが、次第に俺たちはそんなもんだって認識してくれるようになっていた。

俺も好きで楓と一緒に食べてるわけだから、別に迷惑じゃない。

何て言えばいいか迷っていると、楓が俺に向かって笑顔を向けた。


「ありがとう、朔。わたしを心配してくれたんだよね。でも、わたしはひとりの方がいいの。ひとりの方が周囲に気を配れるし、いざというとき動きやすから」

「そんな、学校のときまでSPをしなくていいって。学校だったら命狙われることはないだろうし」


楓は首を横に振る。


「朔を守るのがわたしの役目だから。わたしは朔を守る以外、どうでもいいの」

「どうでもいいって……、本当に?」

「うん。それ以外どうでもいい」


人の考えを変えるのは難しい。

特に楓の「俺を守る」という考えはそうだ。

なんで楓はそこまで俺を守ろうとするんだろう。

って、聞いたら「わたしは朔のSPだから」って返事が返ってくるんだよな。
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