俺のSPはくの一女子高校生
俺の視線は自然と楓に向けられる。
楓は昔から普通とは違う独特の雰囲気がある。
たまに俺とかけ離れた存在のような感じがするんだ。どうして、と聞かれてもよくわからない。なんとなくそう感じる。
「食べないの?」
不思議そうに首を傾げる楓の視線と、俺の視線がぶつかり、ドキッと胸が高鳴った。
「顏が赤いけど、どうしたの?」
「何でもない。夕日のせいで赤く見えるだけだって」
「ふ~ん」
眼鏡のレンズ越しから注がれる視線に耐えきれなくて、俺は少し俯いた。
視線を下げた拍子に、楓と俺の皿がみえる。
すでに空っぽになった楓の皿とは対照的に、俺の皿にはまだ色とりどりの色付いた葉を模(カタド)った和菓子が乗っていた。
俺は自分の皿を楓の前に置いた。