俺のSPはくの一女子高校生

俺の視線は自然と楓に向けられる。

楓は昔から普通とは違う独特の雰囲気がある。

たまに俺とかけ離れた存在のような感じがするんだ。どうして、と聞かれてもよくわからない。なんとなくそう感じる。


「食べないの?」


不思議そうに首を傾げる楓の視線と、俺の視線がぶつかり、ドキッと胸が高鳴った。


「顏が赤いけど、どうしたの?」

「何でもない。夕日のせいで赤く見えるだけだって」

「ふ~ん」


眼鏡のレンズ越しから注がれる視線に耐えきれなくて、俺は少し俯いた。

視線を下げた拍子に、楓と俺の皿がみえる。

すでに空っぽになった楓の皿とは対照的に、俺の皿にはまだ色とりどりの色付いた葉を模(カタド)った和菓子が乗っていた。

俺は自分の皿を楓の前に置いた。
< 19 / 80 >

この作品をシェア

pagetop