俺のSPはくの一女子高校生
第2章 暴走族『鬼龍』のお姫さま
*鬼龍の姫と幹部
昼休み。
多くの生徒の話し声が飛び交う食堂で、いつもの席で楓と2人で雑談を交わしながら日替わりランチのハンバーグ定食を食べているとき。
「鬼龍の幹部の皆さまと優姫さまよ!」
ひとりの生徒がそう叫ぶと、食堂内がさらにざわつき始めた。
チラッと食堂の入り口に目を向ければ、確かに鬼龍の幹部と皇の姿がある。
食堂にはよく来るけど、鬼龍の幹部メンバーが来るのは初めてだ。
珍しいな、なんて呑気に思っていると皇を先頭に鬼龍が俺たちの席に来た。
「朔夜くん、昨日ぶりね」
「そッスね。で、俺たちに何か用?」
「用があるのは朔夜くんなの」
「俺?」
「アナタ、鬼龍に入らない?」
「お断りします」
間髪入れずに断ったら、辺りがしん……と静まった。