俺のSPはくの一女子高校生

今は29分。

心の中でカウントダウンをしていく。

3……2……1。


「スタート!」


開始と同時に俺は勢いよく走り出した。

チラッと後ろを見れば鬼龍が俺目掛けて追いかけてくる。

全員それなりに早いな。

しかも、なかなかの迫力。

怖い怖い。


「怖い鬼さんの手が届かない場所に行きますか!」


ジャンプして校庭に植えられていた木を掴む。

そして、そのまま逆上がりをする要領で身体を浮かせ枝の上に乗った。

下を見ればポカンと口を開く鬼龍の皆さんの姿がある。

ふっふっふ。楓と鬼ごっこをしている内に身に付けた身体能力に驚いているようだな。

だが、まだまだこんなもので驚いてもらっちゃ困る。
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