俺のSPはくの一女子高校生
「楓さんがいるせいで彼女もつくれないなら、朔夜くん可哀想」
「可哀想……?って、どういうこと?」
「やだ楓さん、気づいてないの?朔夜くんが彼女をつくらないのは、楓さんが常に隣にいるからでしょ?」
皇さんの言葉に胸がズキッと痛む。
色んな人から人気がある朔だけど、彼女の話は聞いたことがなかった。
もし、それがわたしのせいだとしたら……と思うと、胸がギュッと締め付けられた。
「ただの幼なじみなら、朔夜くんの幸せを願うべきよ。だから、楓さん。二度と朔夜くんに近づかないでくれるかな?私、朔夜くんを本気で好きにさせてみようと思うから。そうなるとアナタが邪魔なのよね」
「……」
何も言えずに黙っていると、会話の終了を知らせるように予鈴が鳴る。
皇さんが「よろしくね」と言って去るのと同時に、朔が日向と微かに汗のにおいを纏って私のところに駆け寄ってきた。