俺のSPはくの一女子高校生
本当は地味子の格好をしていた方がいろいろと安心なんだけど……って、そんなことは言えない。
「なんとなく、地味な格好から卒業しようと思ったの。……それに、負けたくないから」
楓がぽつりと呟く。
「負けたくないって、誰に?」
「……。そろそろ学校だね。今日の日替わりランチは何だと思う?」
あからさまに話をそらされた。
でも、話をそらすってことは、俺に話したくないってことだよな。
チラッと楓を盗み見るけど、悩み事とかではなさそうだ。
逆に、なんとなく決意のようなものを感じる。
……無理に聞き出さなくてもいいかな。
「そうだな。ハンバーグとか?」
「ハンバーグは昨日だよ」
「あれ?そうだっけ?」
「ふふっ、そうだよ」
楓が花が咲いたようにフワッと笑う。