俺のSPはくの一女子高校生
しぶとく何度も勧誘してくる皇を、勧誘してくる分だけ断る。
皇は向かい側のベンチに座っていたはずなのに、今は俺の隣に座っていて、距離をだんだん詰められる。
そろそろ逃げ場が無くなってきた。
「……あのさ、どうしてそんなに俺を鬼龍に入れたがるわけ?」
「朔夜くんのことが好きだから」
「……」
はい?俺のことが好き?
「あの~それは……一体……」
「私、朔夜くんを好きになっちゃった。一目惚れ」
あら~、一目惚れですか。
それはそれは。
「他校の不良をあっさり倒した朔夜くん、本当にカッコよかったの。だから一目惚れ」
ああ、皇を助けたときね。
だがよ、皇。
殆どの不良を倒したのは楓だ。
実際は俺は3人ぐらいしか倒してない。
そんな女より弱い俺に一目惚れしたのか?
……いや、楓より強い男なんて地球上殆どいないと思うけどさ。