俺のSPはくの一女子高校生
第3章 イケメン転校生は危険な香り
*イケメン転校生
キス事件から数日後。
俺のクラスに季節外れの転校生がやってきた。
「猿飛 御影(サルトビ ミカゲ)です。よろしくお願いします」
落ち着いた丁寧な口調から、第一印象は育ちのいい坊っちゃんと言うよりも、執事みたいな奴だと思った。
スラッとした長身で、モデルのように手足が長くてスタイル抜群。襟足より長めの黒髪は縮毛強制をかけたように真っ直ぐ。
そして顔も整っていて、アイドルと遜色がないほどのイケメンときた。
言わずもがな、クラスの女子はキャーキャー言って、男子はやさぐれている。
転校生に一番盛り上がっていた男子のテンションの落ちっぷりがハンパない。
でも、なにより俺が気になったのは、そいつがみんなの前で自己紹介をしているとき、楓を見ていたことだ。
その目は見惚れていたというよりも、面白い物を見つけたような好奇心に似ている気がした。
なんとなく、猿飛は危険な香りがする。
だから楓に猿飛にはあまり近づくなと言いたいのだが……。