俺のSPはくの一女子高校生

「楓……」


猿飛の攻撃を防いだ楓は、もう一本の腕で猿飛の白シャツの前襟を掴むと、自分よりも大きい猿飛の身体をぶん投げた。

空に浮く猿飛の身体。

普通なら無防備に地面に落ちそうだけど、猿飛は落ちる間際に地面に片手をついて体勢を立て直した。

人外離れした身体能力に驚きを隠せなかった。


「さすがは風魔の姓をもつ者というところですね」


制服についた埃を手で払いながら猿飛が爽やかに笑う。

笑顔だけど殺気は消えていない。

俺を守るようにして立つ楓も警戒を解いていなかった。

こんなに警戒する楓は初めて見た。

猿飛御影……。こいつ何者なんだ?


「私が何者か気になりますか?月神朔夜」

「なっ……!?」

「ふふっ。そんな顔をしていましたからね。わかりやすい」
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