俺のSPはくの一女子高校生
*楓の過去(楓視点)
「うん!楓が作ったカレーはやっぱりうまいな~」
学校が終わって家に帰り、向かい合ってカレーを食べているわたしと朔。
昼にあんなことがあったのにも関わらず朔はいつもと変わらない。
変わらな過ぎてちょっと怖いくらいだ。
「……ねぇ、朔」
「ん?」
「聞かないの?」
「何のこと?」
「……私が忍びの一族だってこと」
朔は「ああ」と言った。
「そりゃ気になるっちゃ気になるけど、話したくないんだろ?」
「……うん」
「だったら聞かない。楓が話したくなるまで待つから」
「でも」
「俺は楓を信じてるから」
信じてる……。その言葉に胸が微かに跳ねた。
どうして朔はこんなに優しいんだろう。
任侠一家に生まれたとは思えないほど優しすぎる。