俺のSPはくの一女子高校生
「も~、泣くなよ~」
「……泣いてないもん」
目の縁一杯に溜まった涙が押し出され、頬を一筋流れた。
そんなわたしの頭をポンポンと撫でてくれる。
撫でてくれる手は大きくてあたたかくて私を安心させてくれた。
やっぱり話そう。
私を信じてくれる朔なら信じられる。
それにこの問題は私だけの問題じゃないから。
お風呂から上がったあと朔の部屋に行く。声を掛けると「入っていいぞ」って中から声がした。
襖の戸を開けると、浴衣姿の朔が布団の上で寝っころがって漫画を読んでいる。
漫画から目を離し、私を下から見上げるようにして見てきた。
「どうした?」
「うん……ちょっとね」
「漫画貸してほしいなら好きなの取っていいぞ」
「違うもん。漫画を借りに来たんじゃない」