俺のSPはくの一女子高校生
*楓の答え(楓視点)
部活生の声が聞こえる放課後。
鮮やかなオレンジ色の光を放つ夕日が見える体育館の裏で、私は猿飛君が来るのを待っていた。
腕時計を見れば、5時5分前。
待ち合わせの5時まで後少しだ。
壁に寄り掛かり、スッと息を吸い込めば、夏の香りで胸がいっぱいになる。しばらく目を閉じていると、土を踏む音がした。
「お待たせしました」
閉じていた目を開けば、そこには猿飛君が立っている。私は壁から離れると、彼と向かい合った。
「来てくれてありがとう」
「いいえ。……それで、答えは決まりましたか?」
コクッと頷けば、猿飛君は「そうですか」と言う。
「貴方たちのところへはいかない」
そうハッキリ告げる。
彼からの誘いを断ったにも関わらず、猿飛君は表情を変えない。まるで、そう答えるだろうとわかっていたようだ。