俺のSPはくの一女子高校生
「風魔さん、もう一度よく考えてください。貴女は狙われている立場です。掴まったら最後、どうなるかわかりません。生きた道具とされるか、最悪殺されるかもしれない。
ですが、私達のところへ来れば貴女を守ってあげられます」
「そうだね。でも、それでも私は月神家にいたいの。あそこがわたしの家だから」
「……そして、月神朔夜とも離れたくないと?」
もう一度頷く。
「やっぱり朔と離れたくないっていうのが一番の理由かも。ずっと一緒に暮らしてきたからかな……。よく分からないけど、朔と離れたくない」
朔と離れることを考えると、胸がキュッと締め付けられる。
この胸の痛みの正体が寂しさなのかなんなのか、よくわからない。
でも、朔と一緒にいたいって思う気持ちは本物だ。
「私が貴方を無理やり連れて行くと言ったらどうします?」
「その時は、全力で抵抗させてもらう」
「それは恐ろしい」
猿飛君はクツクツと喉を鳴らすように笑う。