俺のSPはくの一女子高校生
「それで、猿飛は」
「ちゃんと断った。猿飛君もわかってくれたよ」
「そっか……よかった」
安心したようにホッする朔に、胸があたたかくなる。
わたしが傍にいることを心から喜んでいるのが伝わってくるから。
「家に帰ろう、朔」
「うん」
鞄を持って、学校を出る。
夕暮れの道には誰もいない。わたしは改めて誰もいないのを確認すると、隣を歩く朔の手に自分の手を絡めた。
驚いた朔が私と繋がれた手を交互に見比べる。
「楓……、これ」
「久しぶりに手を繋ぎたいと思ったの。……いや、だった?」
「……いやじゃない。むしろ、大歓迎といいますか……」
「よかった。このまま帰ろうか」
とまっていた足を動かして、再び歩き始める。