すでに恋は始まっていた
そして付けようとしたんだけど…


「…繋がらない…」


ホックがなかなか繋がらなかった。


私はずっと首の後ろで手を動かしている。


「付けてやるよ」


そう言ってネックレスをとった疾斗。


私は自分の髪の毛が邪魔にならないように手で押さえて、つけ終わるのをじっと待つ。


(き…緊張する…。男子だとこんなに緊張するの⁉︎それとも疾斗だから?)


疾斗の手が首に当たるたびにドキドキしてしまう。


「終わったぞ…って、なんでそんなに赤いんだ?」


疾斗がニヤニヤしながら聞いてくる。


(こいつ〜!絶対わかって言ってる!)


「な!なんでもないよ!そ…それより、今度は私の買い物に付き合って!」


そう言った私は疾斗の返事も聞かずに走り出した。


「あ!話そらすなー!」

< 120 / 363 >

この作品をシェア

pagetop