すでに恋は始まっていた
「は〜や〜と〜♡」


遠くから疾斗を呼ぶあの女の人の声が聞こえてきた。


「げっ」


疾斗が後ずさりをし、顔が険しくなる。


近くまで来たその人はいきなり疾斗に抱きつき、ほっぺにキスをした。


(キキキ…キスー⁉︎)


「やめろよ。友達が見てんだろ」


必死にお母さんを引きはがそうとする疾斗。


だけど懲りずにお母さんもくっつく。


「な〜ん〜で〜?いつものことでしょ?照れちゃってかわいいなぁ〜」


(そういえばお母さん日本語喋れたんだね)

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