すでに恋は始まっていた
「おお!泉のお友達ですか?初めまして。泉の父親で、この学園の理事長である「西条 敦(さいじょう あつし)です」


「こんにちは。夢咲 日菜華です」


「え!あ!初めまして。乙川 葉月です」


私達の間に沈黙が流れた。


(次疾斗でしょ!)


ポカーンとしている疾斗に肘で小突くと…


「あ!すみません!草凪 疾斗です」


思い出したようにシャキッとして挨拶をした。


「泉にこんな優しそうなお友達がいて安心しました。みなさん、これからも仲良くしてやってください」


「いえ、こちらこそ」


私がそう言うと少し安心した顔をして「では」と言い、泉に手を振ってどこかへ行ってしまった。

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