すでに恋は始まっていた

突然の不機嫌…?

(それよりさっきの人…お礼言いたいな…少し気になることもあるし…)


「日菜、さっきの奴誰だ?」


退場門をくぐった瞬間疾斗に質問された。


「ああ…誰かは知らないけど、私のお題が『好きな異性』で困っていたら、自分のお題と変えてくれて…助けてくれたの」


すると疾斗は笑い始めた。


「ははっ。好きな異性?そりゃ俺しかいないだろ。俺のところに来ればよかったのに」


からかうように冗談を言って私を赤くさせる。


「バカ!何言ってんの!私にはちゃんと片想いしてる人がいるんだから!」


軽く頭を叩いて、ふざけたつもりなのに…疾斗は急に黙り込んでしまった。


(え…そんなに痛かった?)

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