すでに恋は始まっていた
「2人ともお待たせ〜!」


「あ!日菜お疲れ様〜」


「お疲れ〜。やっと来たか〜」


応援席には私達以外誰もいない。


かなり待っててくれたんだと思う。


黄色ブロックの応援席は本部から1番遠いところにあるし、ここに来る途中午後のことについていろいろと先生に聞かれたから時間がかかっちゃった。


「遅くなってごめんね。お昼ご飯食べよ!」


私がそう言うと2人が席を立って、校舎に向かって歩き出した。


「お父さんが理事長室貸してくれるって言ってるから、そこで食べない?涼しいし」


「さっすが泉!私もうくたくたでクーラーのあるところに行きたかったんだよね〜」


というわけで理事長室で食べることになったんだけど、もちろん手にお弁当を持っていない私達は、とりあえず教室にお弁当を取りに行くことにした。

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