すでに恋は始まっていた
「「「いただきまーす」」」


それぞれが自分のお弁当箱を開けた。


体育祭だからか、いつもより豪華な気がする。


(こんなに食べられるかな…?)


あと1時間くらいあるからなんとかなりそう。


「そういえば2人とも、黄色ブロック1位とったけど…レトワールに挑戦するの?」


「何言ってるのよ。無理に決まってるじゃない」


《ホントは力があればやってみたいけどね》


「私喧嘩できないよ〜」


《痛そうだもん…》


(まぁ、それはそうだよね…)


「ん?喧嘩できないなら、さっきの競技はどうしたの?怪我してないみたいだけど」


(ずっと逃げていた…とか?)


「はぁ…日菜?誰が私達に喧嘩売ってくると思う?」


「ああ…なるほど」


理事長の娘を殴るわけがない。


もちろんその親友にも。


さらにレトワール1位の親友でもあるしね。

< 212 / 363 >

この作品をシェア

pagetop