すでに恋は始まっていた

(とりあえずグラウンドには出て見たけど…どこ?)


グラウンドの真ん中に来たけど、見渡す限り誰もいない。


「やっと来てくれた…」


「誰!」


いきなり後ろから声がして、反射的に振り向く。


「俺?見覚えない?」


「…あなたは!あの時の…」


そこには確かに見覚えのある顔。


(名前は忘れたけど、確か1番最初に挑戦してきてくれた人だ…)


「やっと思い出してくれたか〜」


「えっと…誰でしたっけ?」


(潔く負けを認めて帰って行った人っていうのは覚えてるんだけど…名前が…)


「そこは覚えてないのか…まぁいい。俺は花の丘学園の霧谷 皐月だ」


(そうそう!そんな感じだった!)

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