すでに恋は始まっていた
ー会議室ー


私と疾斗は無言のまま椅子に座る。


(…気まずい。私から話しかけるべき?)


「日菜、黙ってて悪かった」


「え?」


私が迷っていると、先に疾斗から話を持ちかけてくれた。


「あの力…のこと?」


「ああ」


(話題が広がらない…)


私と目を合わせずうつむいていて、申し訳ないと思っているのが伝わってくる。


「えっと…あの力は何ができるの?」


私はもっと疾斗のことを知りたい。


あの力のことについて知りたい。


「ああ…俺の力は空に太陽が出ている間だけ、自然を操ることができる力なんだ」


疾斗が顔を上げた。

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