すでに恋は始まっていた
「あれ?でもどうして隠していたのに花の色とか天気とか、バレちゃうようなことしたの?」


「それは…俺もまだ完全にこの力を制御できるわけじゃないんだ。だからたまに、俺の意思とは別に俺の感情で力が発動する。特に風なんかは敏感でな、感情によって熱風になったり竜巻になったりするんだ」


「そうなんだ」


(意外…疾斗にもできないことがあったなんて)


完璧な疾斗の弱点を知れた気がして、少し嬉しくなった。


なにより、私と疾斗だけの秘密っていうことに気持ちが高まった。


そして…そのことを私と照らし合わせてしまった。


(力があるって…私と同じ)

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