すでに恋は始まっていた
「日菜華さん!」


「樹君!」


放課後、私がレトワールのみんなとの集合場所に行く途中樹君が向こうから走ってきた。


樹君のバックには1年の人達。


多分クラスの人だと思う。


「また追われてるの?」


私の前まで来ると、かなり息が上がっていたみたいで深呼吸をした。


追いかけていた人達も私に気づいて、諦めて引き返して行った。


最近は私がいると、止められるってわかってるから近づいてこなくなったの。


「ふぅ…ありがとうございます!どこへ行かれるんですか?」


「これからレトワールのみんなで遊びに行く予定なの。そうだ!樹君も一緒に行かない?」


(みんなも喜ぶしね!)


「そんな!俺なんかがお邪魔するわけには…」


「いいのいいの!いつも一緒にいるんだから今更だよ!」


すると樹君は少しだけ考える素振りを見せて…


「それじゃあ、お邪魔します」


いつもの明るい笑顔でそう言った。


「じゃあ決定!会議室に集合だから行こっか!」


私達は2人でみんなの元へ向かった。

< 252 / 363 >

この作品をシェア

pagetop