すでに恋は始まっていた
マイクを置いて机に座り、次の曲を待つ私とは違って固まっているみんな。


「ど…どうしたの?」


(ちょっと怖いし…)


「日菜…うますぎるだろ」


最初に言葉を発したのは疾斗だった。


「日菜ちゃん…歌手でもやってたの?」


《こんなに上手いとは…》


「す…すごいな」


《さすが…とでも言うべきなのか?》


「こんな点数初めて見た…」


《私、60点ですら取れないのに…》


「日菜華さん…すごいですね…」

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