すでに恋は始まっていた
「仕方ないですよ。昔のことですから。あの時、俺からカーネーションを渡したんですけど…わかりませんか?」


「…うそ…」


昔にカーネーションを誰かからもらったことなんて1度しかない。


それは私が探していた人。


私を助けてくれた人。


私の幸せを願ってくれた人。


私の初恋の人。


信じられなくて涙が出てきた。


「え!泣かないでください!」


私は涙をぬぐって樹君に笑いかける。


「ごめんね、嬉しくって…つい」


「すみません、あの時もらったうさぎのキーホルダー…なくしちゃって…」


少し申し訳なさそうな顔をする。


「大丈夫だよ!昔のものだもん!」


私は今でもカーネーションを大切に持っているから少し残念だけど、記憶に残してくれているだけで充分!

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