すでに恋は始まっていた
「俺、あの時…日菜華さんに恋しました」


「え…」


(私と同じ…)


「それで…その、今の日菜華さんと関わってから…また恋をしました」


「うそでしょ…」


正直、今の樹君に恋をしているかって聞かれてはっきり「うん」と答えることはできない。


だけど、私がずっと追い求めていて好きだったのも事実。


「あの…俺と、付き合ってください!」


樹君は真っ赤な顔を下げて私にお願いした。


私の答えは決まってる。


だって、ずっと好きだったんだもん。


「もちろん!」


樹君は顔を輝かせて頭をあげた。

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