すでに恋は始まっていた
「よし、じゃあこの話はおしまい!日菜は何に乗りたい?」


「私?私は…あれ!」


そう言って指差したのはコーヒーカップ。


私、昔に新体操や器械体操やってたからか目が回らないの!


「…まじで。てっきりジェットコースターって言うかと思ったのに」


「あ〜私ジェットコースター乗れないんだよね…怖くて。あと、お化け屋敷とか怖いものは全部苦手なんだ」


苦手っていうか、乗らないから苦手かどうかもわからないんだけどね。


食べ物で食わず嫌いって言うから、私の場合乗らず嫌い?かな。


「……じゃあこれの次はジェットコースターに乗ろっか」


衝撃の言葉に耳を疑う。


「え!だって私乗れないよ!」


「コーヒーカップは日菜が選んだんだから次は俺の番でしょ?」


いたずらっぽく笑って見せた。


(も〜!絶対からかってる〜!)


ジェットコースターは本気で嫌だけど、樹君の普段見られない表情が見られて少し嬉しい。


(頑張ってみようかな…)

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