すでに恋は始まっていた
「日菜と樹、いねーな」


そう言いながらも周りを見渡す光。


(え⁉︎私達を探してるの⁉︎)


「2人の会話を聞いていたかぎりじゃ、この時間はもう着いているはずよ」


(さすが凛愛…そこまで聞いていたなんて…)


「なぁ疾斗、本当に2人のデート盗み見るのか?」


少しめんどうくさそうに言う圭介。


もしかしたら圭介はあんまり興味がないのかもしれない。


「ああ、樹が日菜に何かしたらタダじゃおかねぇ」


疾斗は探しながら険しい目をした。


(え…何それ。何もしないでしょ!)

< 294 / 363 >

この作品をシェア

pagetop