すでに恋は始まっていた
私がみんなの会話に夢中になりすぎいて、前を見ると樹君が遠くで手招きをしていた。


私は樹にコクっと頷き、身をかがめながら進む。


「あ!あれ日菜じゃない⁉︎」


光の声がした。


(え⁉︎)


これはもう嫌な予感しかしない。


ゆっくりと振り向くと…案の定光が私を指差し、みんなも私に注目していた。


樹君もばれたことに気がついたみたいで、こっちに近づいて来る。


(ご…ごめんなさい…)


私は顔の前で手を合わせ、「ごめん」と伝えるポーズをした。


樹君は怒っていないみたいで、「大丈夫」と言うように首を振る。


私達は仕方なくみんなの元へ行った。


(後少しだったのに〜!)

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