すでに恋は始まっていた
樹君の指差す方を見ると、そこには私の大嫌いなジェットコースター。


近くにある看板には『日本一の高さを誇る!スリル満点のジェットコースター!』と書いてあった。


「い…樹君?これじゃないジェットコースターに…」


そう言いながら樹君の顔を見ると、これ以上にないほど顔が輝いていた。


(うっ…こんな顔されたら言いたくても言えない…)


「ほら!日菜行こう!」


結局言えないまま樹君に手を引かれ無理やり列に並ばされた。


(列が長いからまだ時間はあるし…逃げられるチャンスもあるかも!)

< 299 / 363 >

この作品をシェア

pagetop