すでに恋は始まっていた
いじめ

しつこい

次の日から、疾斗は私とすれ違うたびに声をかけてくるようになった。


私としてはチョーいい迷惑。


だって女子の視線が恐ろしいんだもん…。


目を合わせていなくても私に向けられた敵意のオーラがびんびん伝わってくる。


男子はそういうのに鈍いし、疾斗も気づいてないのかも知れないけど…。


ほら…また会っちゃった…。


「日菜〜」


友達の元を離れて、私に手を振りながら近づいてくる。


（いい加減やめてよ。周りの女子の目が怖いって…）


心の中ではそんなことを思いながらも実際にはそんなこと言えない。


疾斗に嫌われるのが怖いとかじゃないよ？


迷惑なんて言った瞬間女子から何をされるか…。


私は疾斗の手を取って、疾斗といた友達の方へ目を向けた。


「ごめんね。ちょっと疾斗借りてもいい？」


「いいけど…」


いつも私から話しかけることはないからびっくりしている。

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