すでに恋は始まっていた
「ちょっと!樹君に何してるのよ!」


後ろから霧谷の肩を掴み、樹から離す。


私の登場に一瞬驚いた顔をしたものの、すぐに私を睨む霧谷。


私が心を読もうと目を合わせた瞬間、後ろを向いて走って行ってしまった。


(なんなの…)


「樹君!大丈夫⁉︎」


ベンチに座っている樹君の方を振り返る。


「大丈夫だよ。日菜のおかげで助かった!ありがとう」


「よかったぁ」

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