すでに恋は始まっていた
私は疾斗の友達に断りを入れると、ニコッと微笑んでいきなり走り出した。
私、男子の平均記録よりも走るの早いんだけど…それについてこられた疾斗はさすがレトワール1位だなって思う。
どこにしようか迷ったけど、あまり人が通らない2階へ続く階段裏に連れてきた。
「なんだ?日菜?」
私が急に手を引いて走り出し、ここまで連れてきたもんだから何が起こったのかわかっていない。
少しだけ、私の足の速さに驚いているようにも見える。
(全然わかってないな、こいつ。それとも私が女子に睨まれてるのわかってやってるの?)
「あのさ、すれ違うたびに声かけてくるのやめてくれない?」
「…だって友達だろ?」
この間私が認めちゃったから、それを言われるときつい。
(それはそうだけど…)
「と…友達でも普通あんなに話しかけないよ!」
「…じゃあ彼女になってくれるか?」
「やだ。絶対やだ」
これだけは即答。
何があっても疾斗を好きになることは絶対にない。
私、男子の平均記録よりも走るの早いんだけど…それについてこられた疾斗はさすがレトワール1位だなって思う。
どこにしようか迷ったけど、あまり人が通らない2階へ続く階段裏に連れてきた。
「なんだ?日菜?」
私が急に手を引いて走り出し、ここまで連れてきたもんだから何が起こったのかわかっていない。
少しだけ、私の足の速さに驚いているようにも見える。
(全然わかってないな、こいつ。それとも私が女子に睨まれてるのわかってやってるの?)
「あのさ、すれ違うたびに声かけてくるのやめてくれない?」
「…だって友達だろ?」
この間私が認めちゃったから、それを言われるときつい。
(それはそうだけど…)
「と…友達でも普通あんなに話しかけないよ!」
「…じゃあ彼女になってくれるか?」
「やだ。絶対やだ」
これだけは即答。
何があっても疾斗を好きになることは絶対にない。