すでに恋は始まっていた
「早く。早く僕を見つけて」


(また昔の樹君の夢か…)


「樹君、私達もう会えたじゃない。何を言ってるのかよくわからないよ」


すると、いつものようにまた消えていく。


(もしかして、樹君から返信が来ないのと関係あるのかな?いや、樹君はいつも一緒にいるのに『見つけて』って意味わからないし…)


そこで目が覚めた。


(所詮夢の中だし、現実とは関係ないか…)


時計を見ると6時。


結構寝ていたみたい。


「日菜〜?」


お母さんが起きたみたいで2階から降りてきた。


「あ、お母さん。おはよう。お腹空いた」


「今作る。今日は早いのね〜」


「うん、なんだか目が覚めちゃって」


携帯を確認すると、疾斗からの返信がきていた。


『じゃあ、今日は一緒に学校行こうぜ!
6時半に迎えに行くな』


『わかった!
待ってるね!』


(6時半か〜。登校時間には余裕で間に合う時間だよね。待ち伏せするのかな?)


あと30分しかないから、早速準備を始めた。

< 312 / 363 >

この作品をシェア

pagetop