すでに恋は始まっていた
「待って…じゃあ、どうしてキーホルダーのことを知っていたの…?」


「あれか。あれは、泉・葉月とか言ってるやつから聞いたさ」


「でも、泉や葉月とはそんなに仲良くなかった…」


「俺、心を読む能力があるんだよ。お前と同じでな」


「え…?」


(じゃあやっぱり…体育祭の時に感じた違和感はそれだったんだ…)


今までのことがどんどん繋がっていく。


樹君の言葉に反応したのは私だけじゃなかった。


「おい、日菜…心が読めるのか?」


「疾斗…」


そう、樹君の言葉で私の能力のことがこの場の全員にばれてしまったの。


それは疾斗だけじゃなくて、レトワールのみんなも…。


口をガムテープで固定されているから、話すことはできないけど表情から驚いていることがわかる。

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