すでに恋は始まっていた
「はは!お前、レトワールのやつにも言ってなかったのかよ。お前ら信用されてねぇんだな〜」


樹君がみんなを見渡しながら言った。


「ちがっ…そういうことじゃ…」


「は?それ以外に何があるんだよ。お前はこいつらを信用してなかったんだろ?」


違うって言いたい。


だって本当に違うから。


だけど…きっとそんなこと言ったって信じてくれない。


隠し事してた私のことなんて…誰も…。


「違う!日菜は俺らを信用してなかったわけじゃねぇ。誰だって秘密の1つや2つはあるさ」


「疾斗…」


(なんでそんなに…私のことを…)


さっきとは違う意味で涙が出てきた。

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