すでに恋は始まっていた
「日菜、みんなの方を見ろ。心を読め」


言われた通りにみんなを見る。


《日菜ちゃんが何を隠してたって俺らの気持ちは変わらねぇよ!》


(光…)


《日菜は俺らの仲間だろ。今までも、これからも》


(圭介…)


《日菜が私を信用してないわけないじゃない。もちろん私だって日菜を心から信用してるしね》


(凛愛…)


みんなの思いが心強い。


みんなの言葉が今の私を支えている。


「みんな日菜の仲間だ。今はその仲間を助ける。そうだろ?」


「うん!」


(ダメだね、私。今はみんなを助けることに集中しなくちゃ!)


私は流れている涙をぬぐってみんなに笑って見せた。


疾斗が私に耳打ちをする。

< 323 / 363 >

この作品をシェア

pagetop