すでに恋は始まっていた
次の授業、私はさっきのことで頭がいっぱいで全然集中できなかった。


1時間分授業を終えて、休み時間になると窓からこっちに来る疾斗が見えた。


何事もなかったかのような笑顔を見せて…。


「泉…また来た…」


(さっき注意したのに…)


「…ほっときなさい」


泉も諦めているみたい。


私達は無視してお菓子タイム。


(お昼ごはんまでにお腹空くんだよね〜)


「日〜菜!」


案の定私のところまで来た疾斗。


「…なに?」


「おっ!うまそうなの持ってるじゃん!ちょっともらうな」


そう言って、私が手に持っているかじったクッキーをほおばった。

< 33 / 363 >

この作品をシェア

pagetop