すでに恋は始まっていた

現実

何もなくなった世界。


真っ暗な世界をさまよう私。


歩く道も、地面もなくて…私もこの世界と同化してしまいそう。


涙が出てきた。


1人きりがこんなに怖いなんて…。


「泣かないで」


どこからか声が聞こえた。


「誰⁉︎」


聞かなくてもわかる。


だって、何年も聞いてきた声だもん。


向こうからカーネーション君が歩いてきた。


その体は光っていて、この暗闇を照らすたった1つの光みたい。

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