すでに恋は始まっていた
(私の理想の世界。じゃあやっぱり私が撃たれたのは現実なんだ…)


「現実の君は眠っている。みんな君が目を覚ますのを待っているんだ。早く帰ろう?」


「どうしたらいいの?」


「君が望めばここから出られるよ」


私は言われた通りに願ってみた。


(帰りたい。みんなのところへ…)


そして、そっと目を開ける。


だけど…。


「あれ?」


目の前にはさっきと変わらない光景。


私の視界にいるのはカーネーション君だけ。


「どうして?」


「本当に心から願った?都合のいいこの世界にいたいって思わなかった?」


「え…」

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