すでに恋は始まっていた
「あれは…」


少し離れたところに机があって、鍵が置いてあるのを見つけた。


1つのリングに自転車の鍵や家の鍵、他にもあと2つ付いているの。


ううん、重要なのは鍵じゃない。


本当に重要なのは、鍵と一緒に付いているキーホルダー。


「私の…うさぎだ…」


それは私が昔、カーネーション君にあげたうさぎのキーホルダー。


すっごくボロボロだけど、すぐに私のだってわかった。


だってあのキーホルダーはオーダーメイドでお母さんが買ってくれたんだもん。


「なんで…ここに…」


行き着いた答えは1つ。


この鍵の持ち主がカーネーション君っていうこと。


(今度こそ…会える!)

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