すでに恋は始まっていた
それだけ言うと、看護師さんが動き出して何かの準備をし始めた。


多分、さっき言ってた検査かな?


「日菜、俺はとりあえず帰るな。明日みんなを連れてくる」


「うん!ありがとう!また明日ね!」


疾斗は先生に挨拶をして…机にあった、あの鍵を取って出て行った。


「え⁉︎」


(あの鍵を持って行ったっていうことは…疾斗がカーネーション君…)


こんなに近くにいたなんて、ありえないことだけど…そう考える他ない。


それに、そう考えると色々と繋がることがある。


どこかで感じたことのある風。


どこかで見たことのある喧嘩の仕方。


(まさか…本当に…)


考えれば考えるほど確信へと変わっていく。


早く疾斗にこのことを伝えたい!そう思った。


疾斗が覚えている保証はないけれど、とにかく伝えたい!


「夢咲さん?」


「あ!すみません!」


先生の言葉で我が帰ってきた。


(明日が楽しみだなぁ〜)

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