すでに恋は始まっていた
「樹は警察にいる」


言いにくいのに話してくれたのは疾斗だった。


「そうなんだ…」


「どんな罰を受けたのかは知らねぇが、一応学園は退学みたいだ」


(そうだよね…それが当たり前だよね)


「じゃあ、もう会えないね…」


「そうなるな。だけど最後に樹から日菜に伝言をもらった」


「え?」


突然の展開にみんなも顔を上げる。


(みんなも知らなかったのか…)


「『すみませんでした。酷いことをしたけど、日菜華さんと過ごした時間はとても楽しかったです』だってよ」


「そっか…ありがと!」


(謝ってくれたっていうことは反省してるんだよね!)

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