すでに恋は始まっていた
泉と葉月が近づいて来て、綺麗にラッピングされたものを差し出す。


多分誕生日プレゼント。


「日菜、退院と誕生日おめでとう。これ」


《中身は見てからの秘密!》


「私も!退院とお誕生日おめでとう!」


《中身は秘密。中身は秘密…》


(2人とも、私に心を読まれないようにしてるのか…)


わざと中身のことを考えないようにしているみたい。


「…うっ…ありがとー!」


私は2人に抱きついた。


もう涙が止まらない。


「も〜大袈裟すぎだよ〜」


「クスッ…まぁそれが日菜らしいんだけどね」


2人と抱きつくのをやめると、疾斗達が近づいてきた。


「悪い。俺たち、今日が誕生日だって知らなかったんだ」


申し訳なさそうに言う疾斗。


(そっか!私が言ってなかったんだから知らないか!)


「ごめんね?プレゼント用意できてないんだ…」


明らかに落ち込んでる光。


《本当はビックなプレゼントしたかったんだけど…》


「大丈夫だよ!っていうか、もらえるだけでありがたいんだから!」

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