すでに恋は始まっていた
早く言いたい。


早く伝えたい。


あなたは…私の…。


箱を開けて、出てきたのは…オレンジのカーネーション。


目をつぶってあの日のことを思い出す。


暗い路地裏を照らす、一筋の光。


それが疾斗だった。


助けてくれた時の安心感。


交換したカーネーションとキーホルダー。


疾斗に恋をした瞬間。


あの日から私の恋ははじまっていたの。


再開して、最初は振っちゃったけど…今は違う。


それを疾斗に伝えたい。


今、私の恋は新たなステージを迎える。


これが私の…ずっと言いたかった言葉。


「ねぇ、知ってる?オレンジのカーネーションの花言葉はね、『あなたを愛しています』なんだよ」


暖かい風が私達の間を吹き抜けた。

ーENDー

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