すでに恋は始まっていた

新しい仲間

疾斗と距離を置いたからって、すぐにいじめが終わるわけじゃない。


誰も「やめよう」という一言を言えないでいるから。


主犯の子が言えば終わるんだけどね。


まぁ、そのうち終わると思うけど。


休み時間…うつ伏せになっている私に、気の弱そうな1人の女子が近づいてきた。


「あ…あの…夢咲さん?」


「なに?あんた…乙川だっけ?」


クラス全員の女子からいじめられている今、私にとってはこいつも敵。


直接関わっていなくても無視してるんだから周りの奴らと一緒。


仲良くする気なんてこれっぽっちもない。

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