すでに恋は始まっていた
《話がわからないよ〜》


頭の上で星が回っていそうなくらい困ってる。


(案外おもしろい奴かも)


私は少しだけ乙川をいじりたくなった。


「クスッ…ごめんね、わかりにくくて」


「え⁉︎なんで、私の考えてること…」


混乱していた頭がさらに混乱する。


《そういえばさっきもあったような…》


困っている乙川を見て、泉が私に「こらっ」と言って軽く頭を叩いた。


「日菜にはね、心を読む力があるの」


「心を…読む?…まっさか〜」


私達の言葉を冗談だと思っているみたい。


《そんなの聞いたことも見たこともないよ〜》


「聞いたことも見たこともなくても、現実にはいるんだな〜これが」


《え…》


乙川の思考が一瞬が停止して、言葉を理解する。


「え、えーーー!」


そして教室中に響きわたる程の声で叫んだ。

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