すでに恋は始まっていた
「私達はそんなの気にしないから!」


落ち込む葉月を元気づけようと泉が明るく言った。


「泉の言う通り!私は権力がある人よりも心の綺麗な人と友達になりたいしね!」


葉月がゆっくり顔を上げる。


「え…じゃあ私、2人といていいの?」


「「もっちろん!」」


私達の会話の中、向こうから主犯の子が近づいてくるのが見えた。


私が怖い顔をしたからか、2人も気づいて後ろを振り返る。


「あのさ〜乙川さん?そっちにつくってことは裏切りって考えていいんだよね?」


(こいつ…私と泉以外に葉月まで手を出すつもりなの⁉︎)


「え…私は、裏切ったわけじゃなくて…みんなにも間違ったことはしてほしくないなって…」


さっきまでの笑顔は消え去って、どんどん下を向いていく。


最後の方は声が消えそうになりそうなくらい小さかった。


「何?私達が間違ってるってわけ?ありえないんだけど。この裏切り者め!」

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